The Chemical Space Project, Acc. Chem. Res. 2015, 48, 722-730.

The Chemical Space Project
「ケミカルスペースプロジェクトとGDBデータベース」
GDBデータベース

バイオグラフィー

スイスのベルン大学の化学および化学生物学の教授であるJean-Louis Reymondは、チューリッヒ工科大学で化学と生化学を学び、1989年にローザンヌ大学で天然物合成の分野で博士号を取得後、博士号取得のためにスクリップス研究所に参加し、1992年に助教授、1997年より現職。彼の研究は、小分子およびペプチド薬のコンピューター支援設計に焦点を当てています。

概要

分子多様性を検討するとき最も基礎的で初歩となるものは存在しうる有機分子の列挙です。化学空間の調査は、19世紀にそのサイズを評価するためのカウントゲームとして始まりました。化学情報学と強力なコンピューターの出現により、分子の実際の列挙を実行してケミカルスペースデータベース(GDB)を作成することができました。GDB-17には、C、N、O、S、およびハロゲンの最大17個の原子からなる1,664億個の分子が含まれています。それらの多様性を理解し、化学空間全体に対する公平な洞察を得、創薬との関連性を検討しました。今後の課題は、重原子17原子を超える分子の列挙、革新的なスキャフォールドとファーマコフォアの導出方法の開発です。

Memo

「ケミカルスペースプロジェクトとGDBデータベース」という話題について,

  • グラフ構造を基に炭素からへテロ原子への置換を系統的に行うことで生成されていること
  • 未知化合物を大量に含むデータベースであること

などについて解説。GDBプロジェクトについてはいくつも論文が出ていますが,まずはオープンアクセスになっているAccountsから読んでみるといいと思います.“The Chemical Space Project” Acc. Chem. Res. 2015, 48, 722-730. GDBデータベースはJean-Louis Reymondグループの該当ページから入手可能」の参照論文。化学情報学のレビューとしても参考になる気がする。