そもそも計算科学とは?計算の種類、それがどのような種類があるのか・どのように発展してきたのか?特定の計算手法の専門家は自分の研究してきた手法を広く適用しようとしてしまいがち。計算化学について整理してみる。(勉強中)
何が動いてどんな現象が発生するのか。サイズと時間スケール。
(再掲)構造生物学的背景
動くもの | 機能 | シミュレーション手法 |
---|---|---|
電子 | 電子移動,光励起 | 電子状態計算(QM) |
プロトン | プロトン移動,プロトン化 | QM,全原子MD |
原子 | 構造変化など | 全原子MD |
低分子 | リガンド結合,膜輸送 | 全原子MD |
側鎖 | 分子(低分子,高分子)結合 | 全原子MD |
ドメイン | 構造変化,分子モーター | 全原子,疎視化MD |
サブユニット | 超分子システム | 全原子,疎視化MD |
蛋白質全体 | 多蛋白質システム | 疎視化MD |
分子濃度 | 細胞機能 | システム生物学 |
細胞 | 血流 | 流体力学,構造力学 |
組織 | 臓器運動 | 流体力学,構造力学 |
(参考)「生体分子の機能: 何かが動く」, p.11
計算しようとするもの(原子が動いていない計算対象)
- バンド
- オービタル
- ここでいうポテンシャルとは?
- 内部エネルギー(≒電子エネルギー)
※すべての原子の位置を指定する必要がある
計算しようとするもの(原子が動く計算対象)
- ダイナミズム
- エネルギーとは?
- 自由エネルギーとは?
- ポテンシャルランドスケープ
- Free Energy landscape(実用的なこれが設計できるのかは疑問)
計算手法
分子軌道法
- 分子構造の広範囲にオービタルが広がっていない場合(たんぱく質・生体分子は広範囲に広がるオービタル・非局在化した電子が物性に関与することはないので、これで十分なことが多い)。
- 分割する計算手法がある。
バンド理論と第一原理計算
- オービタルが分子構造上に広がっており、電子の非局在性が物性にかかわる場面。
- 分割する計算手法を適用すると精度が悪化。
分子動力学計算
- 考えようとしている分子構造のダイナミズムが物性にかかわる場面
- コンフォメーションがいくつもある。
- 内部エネルギー(≒電子エネルギー)を求める方法は複数存在する。この中には分子軌道法や第一原理計算を用いることも原理的には可能、計算コストが大きい
そのほか気になるキーワード
- 内部エネルギーと系(ダイナミクスのコンフォメーションのアンサンブル)の自由エネルギー
- 緩和時間と平衡・非平衡な系
- 経験的手法
- 力場
- PCM(RISM)
- DFT
(ここまで)