Li, W., Wang, L., Zhou, F., Li, C., Ma, W., Chen, H., Wang, G., Pickett, J.A., Zhou, J.‐J. and Lin, Y., Overexpression of the homoterpene synthase gene, OsCYP92C21, increases emissions of volatiles mediating tritrophic interactions in rice., Plant Cell Environ (2020)

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Abstract

植物防御ホモテルペンは、害虫の天敵を引き寄せるために使用されています。しかし、イネではホモテルペンの生合成経路はまだ不明であり、そのような間接防御システムの応用は、植物からの排出量が少ないため、実用化には課題がありました。今回、

  • タンパク質OsCYP92C21がイネのホモテルペン生合成に関与していること
  • イネがホモテルペンを生成する能力は、細胞内前駆体プールに依存していること

を明らかにしました。

  • specifically subcellular targeting expression (特異的)細胞内ターゲティング発現
  • genetic transformation 遺伝形質転換
  • genetic introgression 遺伝子移入

を通じて前駆体プールを増加させることにより、イネのホモテルペン生合成を大幅に強化しました。最終的に遺伝子移入されたGMイネは、野生型イネよりも高いホモテルペン放出を示し、草食動物の攻撃の誘因がなくても、これまでにGM植物で報告された最高のホモテルペン放出を示しました。その結果、これらGMイネはCotesia chilonisに対して強い誘引性を示しました。この研究は、イネのホモテルペン生合成経路を発見し、細胞内区画の前駆体プールを増やし、遺伝子形質転換によってホモテルペンシンターゼを過剰発現させることにより、植物防御システム:病害虫管理の「プッシュプル」戦略の開発に貢献します。

Memo

本文有償

Overexpression of the homoterpene synthase gene, OsCYP92C21, increases emissions of volatiles mediating tritrophic interactions in rice, Wei Li Lingnan Wang Fei Zhou Changyan Li Weihua Ma Hao Chen Guirong Wang John A. Pickett Jing‐Jiang Zhou Yongjun Lin, Plant Cell Environ. Accepted Author Manuscript. doi:10.1111/pce.13924

忌避・誘引のセミオケミカル・アレロケミカルもKeggのようなDBの統合管理されてゆくのだろうか?

セミオケミカル/アレロケミカルの研究。昆虫と植物の化学物質コミュニケーションを研究するJohn A. Pickettの研究。John A. Pickettの総説を読んだことがある。農薬開発などが応用される分野。

(総説) Characterizing human odorant signals: insights from insect semiochemistry and in silico modelling

紹介記事;a, b, c

誘引される昆虫種と誘引の強度が少々不明(深堀していない)

  • parasitic wasp= 寄生蜂; 寄生スズメバチ; 寄生コバチ *
  • Cotesia chilonis;メイチュウサムライコマユバチ(コマユバチ科)or 膜翅目:ブラコ科 …? ex p.283

プッシュプルシステムでの害虫駆除 = 自然忌避剤~新規類縁体(プッシュ)+新規の誘引物質(プル)を併用

(ここまで)